特定口座制度・手続き

特定口座とは

特定口座とは、上場株式や投資信託等の譲渡益に関する確定申告の手続きを不要または簡便にする口座です。
特定口座では、上場株式や投資信託等の取引にともなう取得単価の管理や譲渡損益等の計算を金融商品取引業者が行います。
また、「源泉徴収あり」の特定口座では、譲渡所得等の税金の徴収・納付も金融商品取引業者で代行します。
特定口座は、金融商品取引業者一軒につき一口座設定できます。

ご注意事項
当社(スマートプラス)ではWealth Wingの他、証券総合口座「STREAM」を提供しており、両口座とも特定口座ですが、 特定口座制度における源泉徴収や還付につきましては「STREAM」にて行うこととしております。 当社では「先に開設された口座」を「主口座」として、当該主口座にて源泉徴収や還付を行います。(※特定口座源泉徴収ありの場合)
したがって、源泉徴収や還付を記載した「特定口座取引明細」、株式等の譲渡(損益)や配当金・分配金等を記載した『特定口座年間取引報告書』は、 主口座の「お客さまサポートWEB」にログイン後、「特定口座取引明細」および「取引報告書印刷」にてご確認頂くことになります。

特定口座の種類

特定口座には、以下の二種類があります。

①特定口座/源泉徴収あり

お客様のお取引に関わる譲渡所得等の計算を当社で行い、源泉徴収して税務署へ納付します。
お取引された譲渡所得や保有されている銘柄の配当所得等については、現行の税制に基づき損益通算されているため、確定申告のお手続きを省略することができます。(源泉徴収の記載のある「年間取引報告書」を発行します。)

②特定口座/源泉徴収なし

当社から、お客様のお取引に関わる譲渡損益等が記載された「年間取引報告書」を発行します。
「年間取引報告書」を用いて簡易に申告・納税のお手続きを進めていただくことができます。

源泉徴収あり 源泉徴収なし
源泉徴収 お取引ごとに税制に基づき源泉徴収されます。 源泉徴収されません。
確定申告

・原則、確定申告は不要です。
・当社で税制に基づき損益通算したうえで納税します。なお、他の金融商品取引業者の取引と損益を通算したり、税金の還付を受けようとする場合等は確定申告することができます。

・確定申告を行ってください。
・当社が発行する「年間取引報告書」を用いることで簡易に申告、納税ができます。

損益通算への反映

・譲渡損と配当金の損益通算を行う場合は、配当金受取方式を「株式数比例配分方式」を選択してください。
・年間の譲渡損を翌年以降の繰越控除としたい場合は、当社が発行する「年間取引報告書」を使用してください。

・源泉徴収が行われないため、確定申告の時に損益通算を行ってください。

年間取引報告書

「年間取引報告書」とは、お客様の特定口座内の1月1日から12月31日(両日とも受渡日基準)までのお取引等の内容を金融商品取引業者にて計算し記載した書類です。
「年間取引報告書」を使用して確定申告していただくことで、一般口座や他の金融商品取引業者のお取引との損益通算された納税が簡易となります。

譲渡損失と配当金の損益通算について

「特定口座/源泉徴収あり」をご利用されているお客様で、配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」をご指定されている場合、当社にて譲渡損との間で損益通算の計算を行います。
「株式数比例配分方式」以外の配当金の受取方式をご指定の場合は、お客様で確定申告を行っていただくことで譲渡損との損益通算を行うことができます。

税金の還付について

特定口座で「特定口座/源泉徴収あり」をご選択の場合、株式や投資信託を売却の都度、年初からの譲渡損益を計算します。利益が発生した場合は源泉徴収を行い、損失が発生した場合は源泉徴収超過分を特定口座に還付します。
*例えば、年初の最初の株式売却により10万円の譲渡益が発生したと仮定します。
この時点で20,315円の譲渡益課税(20.315%)が徴収されます。その後、売却で5万円の譲渡損が発生したとするとこの時点までで通算した譲渡益は5万円ということになりますので、その利益5万円に課税される金額である10,157円との差額10,158円(=20,315円-10,157円)が譲渡益課税還付金として特定口座内に還付されます。
反対に、年初の最初の株式売却により10万円の譲渡損が発生(この時点では譲渡益課税は「0」)し、その後の売却で5万円の譲渡益が発生した場合では、先の譲渡損金額を上回る譲渡益が発生するまで課税はされません。
還付された税金は、預り金となり翌日から現物買付余力に反映されます。

上場廃止について

上場廃止となった株式は、原則として上場廃止日に当社の保有残高から抹消されます。上場廃止後の株式については以下の取扱いとなります。

・原則として特定口座でのお取り扱いから払い出されるため、特定口座内での損益通算はできません。確定申告される場合は、発行会社もしくは発行会社の受託会社(信託銀行)にお問い合わせください。
・上場廃止日までご保有のお客様については、当社から発行会社に対し株主の報告をいたします。上場廃止後の売却や配当、権利関係については、発行会社もしくは受託会社(信託銀行)にお問い合わせください。
・特例として、証券保管振替機構が上場廃止後の取扱いを継続する場合にのみ、該当銘柄をご保有のお客様に対して特定管理口座が開設され、当社の管理が継続されます。特定管理口座については下記をご確認ください。

特定管理口座について

特定管理口座とは、上場廃止により上場株式ではなくなった株式を引き続き証券会社にて管理する口座です。
特定管理口座で管理されている株式が清算結了等の事実が生じて価値が喪失した場合、当社からご保有のお客様へ「価値喪失株式に係る証明書」を発行します。「価値喪失株式に係る証明書」を用いて確定申告をされることで上場株式との間で損益通算することができます。

特定口座の解約

当社では、原則として特定口座のみ取り扱わせていただいております。特定口座のみの解約は受け付けておりません。

源泉徴収区分の変更について

年内に特定口座での株式売却・配当金の受取りがない場合、当年内の変更が可能です。

特定口座から一般口座への振替について

当社では、一般口座の取り扱いがございませんので、特定口座から一般口座への振替は受付けておりません。
一般口座への振替をご希望の場合には、一般口座取り扱いの他証券会社へ特定口座預かりのまま移管して頂き、当該証券会社にて一般口座への振替の手続きをお願いします。
なお、他社移管の際には、所定の手数料を頂戴いたしますので、予めご了承願います。

譲渡益課税の税額計算

譲渡所得は、「売却約定代金-取得費-売却時手数料」で計算されます。
税率は以下の通りです。

所得税 15%
復興特別所得税* 上記所得税額に対し2.1%
住民税 5%

※「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(平成25年1月1日施行)に伴い、平成49年12月31日まで所得税額に上乗せされます。

課税金額の具体例

取得費:1,000株×407円=407,000円
譲渡益:470,000円-407,000円=63,000円
課税金額:12,798円
(内訳)
所得税:9,450円(=63,000円×15%)
復興特別所得税:198円(=9,450円×2.1%)
住民税:3,150円(=63,000×5%)

※ 具体例は、手数料等を考慮しておりません。実際の計算は上記の考え方をもとに手数料・諸経費を勘案して算出されますので、ご留意願います。